不測の事態であわてないために・・・

老人ホームで仕事をしている私たち、介護員(支援員)や看護員は(特別な場合を除き)医療行為ができません。しかし利用者は、なにぶんにも高齢で、何らかの持病がある(薬を飲んでいる)人がほとんどですので、いつなんどき不測の事態がおこるかわかりません。そのときにあわてることがないように、以下の表を参考にして(※あくまでも、参考です。)症状・状態などをよく観察して、医療につなぐまでの(応急処置などの)行動をとりましょう。

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最近は、一般の人々がAED(自動体外式除細動器)を使用できるようになりました。

AEDが到着するまでに行う心肺蘇生法の手順(出典:東京法令出版株式会社 応急手当講習テキスト)

  • 呼びかけなどに対して目をあけたり、何らかの反応があれば「意識あり」。何も反応がなければ「意識なし」と判断します。
  • 頭や首にけががある場合やその疑いがあるときは、体を揺すったり首を動かしてはいけません。
  • 協力者が誰もいなければ、119番通報を先ず行います。
  • 協力者が一人しかいないときは、「119番通報をして!。それからAEDを持ってきてください!。」と指示します。
  • 口内に異物があれば取り除き、空気が鼻や口から肺に達するまでの通路を開く。
  • 指で下あごの柔らかい部分を圧迫しない。
  • 頭を無理に後ろに反らせない。
  • 首のけがが疑われる場合は、下あごのみを引き上げる。(下顎挙上法)
  • 頬はできるだけ傷病者の口・鼻に近づける。
  • 呼吸音も聞こえず、吐く息も感じられず、胸腹部の動きがなかったり、それらが不十分な場合には「呼吸なし」と判断する。
  • 10秒以内で調べる。
  • 口対口人工呼吸により、肺に空気を送り込む。
  • ゆっくりと約2秒かけて2回吹き込む。
  • 吹き込む量は、傷病者の胸が軽く膨らむ程度(10㎖/体重1㎏)とする。
  • 吹き込みがスムースにできなかった場合は、もう一度首をもどして、気道確保をやり直し、息を吹き込む。
  • 呼吸をしているか?
  • 咳をしているか?
  • 体に何らかの動きがみられるか?
  • サインは10秒以内に調べ、これらの兆候がなかったり、明らかでない場合には、循環のサインなしと判断し、直ちに心臓マッサージを開始する。
  • 胸部の一番下の肋骨を人差し指と中指の2本の指で触れる。
  • そのまま2本の指を、肋骨の縁に沿って胸の真ん中まで、すべるように移動させる。
  • 真ん中のヤマ形の頂点のところで指を止め、それに並べるようにもう一方の手の付け根をおく。この置かれた手の付け根の位置が圧迫部位となる。
  • 15回の心臓マッサージと2回の人工呼吸のサイクル(15:2)を繰り返す。
  • 人工呼吸は1回の吹込み時間に2秒かけて、5秒に1回の速さで行う。
  • 最初に心臓マッサージ15回と人工呼吸2回のサイクルを4サイクル行った後に、循環のサインの有無を10秒以内に調べる。その後は、心臓マッサージ15回と人工呼吸2回のサイクルを繰り返し、2~3分ごとに循環のサインの有無を10秒以内に調べる。