老化について

老化について

老化とは、加齢とともに不可逆的に起こる心身機能の変化である。

一般的に ①予備力の減少 ②防衛機能の低下 ③回復力の低下 ④適応力の減退 などの特徴が挙げられる。

身近に感じられる老化による体の機能の変化は 1.血圧が上昇 2.多尿、糖尿の傾向 3.歯が抜ける 4.舌が平たくなる 5.唾液の酸性化 6.胃の消化力の低下 7.視力低下、老眼 8.老人性難聴 9.味覚(酸味、甘味、塩味、苦味)の感度低下 特に、塩味は多量摂取の傾向となるので 高血圧に注意する 10.皮膚感覚の鈍麻(温覚、冷覚、痛覚、圧覚) 11.全身皮膚の乾燥(しわが多くなる) 12.毛髪の脱落や白髪 13.肩関節(五十肩)などの可動低下

人間の知能の発達は20代までで終わり、以後は衰えるばかり

これは知能テストによる研究で、新しい研究では総合的な知能(記憶・学習・理解・判断・応用等が含まれる)は、加齢によってそんなに簡単に衰えない。

少なくとも60歳代はじめまでは維持されるのが普通とされ、その低下が例外なく起こるのは80歳以降であろうという。

老 化 説

老化とは老人になっていくことでしょうが、そもそも“老人”の定義も曖昧であり、老化のメカニズはよくわからないそうです。

※ “老人”は生物学的、生理学的、心理学的側面に相当の個人差があり、一律の年齢で区分することは困難である。

このため老人福祉法では、その対象となる老人についての定義は置かれておらず、その解釈は社会通念に委ねられている。

1 個体の変化に重点を置く老化説

① 老化の遺伝説 精神機能や行動に現れる老化現象は、すべて遺伝によって 決定される。

② 老化の写し説 老年期における特徴は、すでに発育期の終わりに現れている。生活体は発育期において様々な淘汰(生存競争の結果、環境に適応するものだけが残り適応しないものは滅びる)を受け、淘汰を受けた性質が成熟後以降の時期の特徴として現れる。成長後に現れる変化は、すべて発育期の写しであると考える。

③ 老化の行動説 成長した生活体の行動が、年齢によって変化する現象を説明しようとする。年齢に伴って感覚・知覚機能、記憶、思考、学習能力、動機付け、欲求、パーソナリティなどに変化が起こる。これらの変化が老化であり、年齢的に見た人間の行動の変化になんらかの形で作用している。

 

2 個人と社会の関係に重点を置く老化説

① 老化の対人的適応関係説 年齢による対人適応性の変化を老化とする。高齢になると自尊心が脅かされやすくなり、知覚の鈍麻、記憶や知能の低下などのため、人間関係を断ち、自閉的生活に陥りやすく、安定した人間関係が困難になる。

② 老化の離脱説 年齢とともに、所属している社会において、他の人々との相互関係が弱くなる過程が老化である。